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テクノロジーの力で人事のスケジュール調整の業務をなくす。N2i代表取締役篭橋裕紀氏

応募者との日程調整はスピードとタイミングがすべて。面接担当者のアサインや会場の準備の傍ら複数の応募者との調整は人事業務のなかでもかなりの割合を占める。この日程調整の仕事を自動化できる夢のようなサービス「NoRe:suke forリクルート」を提供しているのが名古屋を拠点とするスタートアップ株式会社N2iだ。株式会社N2i代表取締役の篭橋裕紀氏に「NoRe:suke」開発のきっかけから、今後のサービス展開を聞いた。

チャットボットで一番解決できる課題がスケジュール調整だった


もともとはWeb制作やプロモーションをメイン事業として行ってきていたN2i。そこからAI事業を展開し、NoRe:suke、AIの共同開発、AIの受託開発を行なっている。
NoRe:suke開発のきっかけを聞くと「AIで何かをやりたいと考えていました。そのなかで注目したのがチャットボットで、チャットボットで解決できる課題のなかで効果的なのがスケジュール調整でした」と篭橋氏は語る。
もともと篭橋氏は営業をしていてアポイントメントの調整に非常に無駄を感じていたという。ただ、営業の場合はこれからクライアントになる可能性のある人物とのやりとりでもしかすると失礼と感じる人もいるかもしれない。

「比較的チャットボットで対応しやすいビジネスの領域は何か?と考えたところ、中途採用の領域にたどり着きました」

オートメーションである程度進めることができる中途採用の日程調整ツールとして「NoRe:suke forリクルート」は誕生した。

いま使っているユーザー層としては人事が1-2名しかいないベンチャー・スタートアップのユーザーではなく、多くの応募者との調整が必要となる1000名以上の規模の会社が多く、人材派遣会社といった多くのスタッフとの面談が必要な企業からの引き合いもでてきている。

こんなに簡単なスケジュール調整


「NoRe:suke forリクルート」の機能は、①応募者管理機能、②日程調整機能、③アナリティクス機能の大きく3つに分けられる。では具体的にどのような形でスケジュール調整が行われるのであろうか?

応募者の登録・管理

サービスにログインをして求人媒体からの応募者を登録する。
応募者の登録はCSVのアップロードとシステム上での登録の2つのやり方がある。
主要転職求人メディアのマイナビ転職・リクナビNEXT・en転職・DODA・@typeのCSVデータのアップロードが可能だ。
また、面接のフェーズを可視化する画面もあり「返信待ち」「内定」などの状況が簡単に確認できる。

スケジュールの調整


応募者を登録したら面接のためのスケジュール調整が必要だ。
NoRe:suke forリクルートではスケジュール画面をクリックして面接官の選択、開催期日、面接会場、当日のお知らせなどを記入してシステム上に登録する。

登録が完了したら面接ごとに日程調整のURLを発行し、メールで連絡をする。

応募者の日程調整

応募者は人事担当者から日程調整のURLが送られてくる。
URLをクリックをするとチャットボットが起動する。

今回のインタビューの日程調整をNoRe:suke forリクルートで行なったが、ユーザーとしてはクリックをして選べば良いので非常に簡単ですぐに利用できた。

日程調整完了


応募者が日程を確定させると、面接担当者のGoogleカレンダーに日程が登録される。
エンタープライズ版では面接官のカレンダーと会議室の空き状況も連動させることができるので、せっかく面談日を確定したのに会議室の確保のために社内調整に走るということも避けられる。

今後の展開

NoRe:Suke forリクルートは中途採用向けのチャットツールであるが今後採用管理システム(ATS)機能も実装予定だ。さらにカレンダーの連携をGoogleだけでなく、マイクロソフトの「Outlook」やサイボウズのグループウェア「ガルーン」などとの連携機能リリースも予定している。

「求人メディアからの応募者情報の自動取得も予定しており、人事担当者と応募者との調整業務がNoRe:suke内で完了できるようにしたい」と篭橋氏。

また、新卒向けのツールとしてはネオキャリアと共同開発したLINE対応型の採用管理ツール「MOCHICA(モチカ)」を2018年3月30日に発表した。こちらはLINE@でやりとりができスマホが生活のインフラになっている世代にとってはLINEだけで企業とのやりとりが完結するサービスとなっている。

新卒採用のためにスマートフォンアプリを開発してアプリからのエントリーを促し応募者とのコミュニケーションをとる企業もでてきていることから、応募者が一番負荷なくコミュニケーションをとるためにどうしたらよいのか?そのなかで選んでもらうためにはどうしたらよいのか?ということ考え施策を実行していく必要がある。
一方で、複数の媒体・複数のツール・多くの応募者とのやりとりで1日が終わってしまう人事担当者も多いのではないだろうか?

このようにテクノロジーで時間を作ってくれる、考える時間を作れるようなサービスは人事担当者としてはありがたい。
「MOCHICA」はリリース間もないがすでに引き合いもきているということだ。名古屋発のスタートアップ「N2i」社の今後の活躍を期待したい。