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【HRTech活用研究所】スキャンマン株式会社代表取締役杉本勝男さん

こんにちは、HRTechナビ編集部です。HRTech活用研究所ではHRTech関連サービスを活用/提供している企業へ訪問し、組織力を高めるHRTechサービス活用方法についてお伝えいたします。今回は、スキャンマン代表取締役社長杉本勝男さんに、HRTechサービス選定や活用の方法についてお聞きしました。HRTechサービスに限らずクラウドサービスでもっと組織力を高めたいという企業の方にとって役に立つノウハウ満載のインタビューです。

「書類があるところに仕事あり」スキャンマンのビジネス


-スキャンマンの業務内容を教えてください

お客さんのオフィスまで出向き、その場であらゆる書類をスキャンし、PDF、JREGなどにデジタル化します。スキャン後、データの活用・クラウドでの保管も行っています。
また、クラウドサービスとの業務提携も行っています。例えば名刺管理サービス『Eight』や『Sansan』、クラウド会計ソフトの『freee』、クラウド契約書管理ソフト『Agree』などと提携しています。

-どういった部署から依頼がきますか?

名刺管理だと総務・秘書。契約書関連だと法務・総務が多いですね。最近では、「オフィス移転に伴い、ペーパーレス化をしたい、クラウドで情報共有をしてワークスタイルに変えたい」という企業からの要望も多くあります。その際は、「移転チーム」が音頭を取って対応しています。また、社会労務士、商標、特許関連の事務所からのご依頼も多いです。「書類あるところに仕事あり」、という感じですね。

スキャンマンに聞くHRTechサービス活用術と気になるサービス


-特にバックオフィス業務においてHR領域で利用しているサービスを教えてください。

人事系では主にTeach me BizBizer人事労務freeeを使用しています。人事以外にも、総務や会計など、それぞれに対応したツールを導入しています。

-HR領域でのサービスを活用するきっかけについて教えてください

①Teach me Biz
Teach me Bizは創業間もなく導入しました。創業当初、スキャニングをする上で、作業スタッフへの教育のマニュアルを共有・閲覧ができるようにクラウドで作る必要がありました。KeynoteやPowerPointは、月日が経つと最新バージョンでなくなってしまうし、クラウドで手軽に共有・閲覧ができないという点から断念しました。また、Googleサイトでやろうとしましたが、画像の編集に手間がかかっていました。さらに自由度が高いことから作成者によって作成物にばらつきがでてしまうことが課題でした。そこで、知人の経営者を通じてTeach me Bizの導入をさせてもらいました。

②Bizer
Bizerは2年前くらいに導入しました。会社を経営していくことが初めてだったため、1年を通じて株主総会などのイベントや算定基礎届の提出や年末調整等のタスクがいつあって、その際どの程度人手が必要になるのか計画・調整する必要がありました。Bizerは、これらのタスク管理が簡単に漏れなくできることから導入しました。売上に直結しない業務の優先順位をどうしても下げてしまっていたので、Bizerを導入し抜け漏れを確認でき、イベントごとでのタスク管理ができてよかったなと感じています。

③人事労務freee
人事労務freeeは最近導入しました。従業員数が増えてきたため、給与明細等の管理がより重要になってきたので人事労務freeeを活用するようになりました。人事労務freeeは住所や扶養の有無など必要事項を本人にメールアドレスで招待し直接入力してもらいます。年末調整や人事労務関連の業務も打ち込むだけで調整ができ、とてもスマートで便利です。

-様々なツールを活用されていますが、HR領域(人事)での課題はありますか?

HR領域で言うと、社員が増えてきたので組織体制をきちんと整える必要があり、人事評価制度をしっかりと作る段階だと思っています。ですから、今ちょうど行動指針も作っています。というのも、どのような人材を評価するかが、企業のカルチャーや成長曲線に影響してくるからです。価値観の評価軸を増やすためにも、数値化での人事評価の管理が課題ですね。

-では、HR領域(人事)で興味のあるサービスはありますか?

たくさんありますけど、特にHRBrainが気になりますね。人事評価するためのソリューションとして、人事評価のデータベース管理がきちんとでき、人事評価のオペレーションが効率化きちんとできるので、今後導入を検討しようと思っています。

採用系のサービスでは、リファラル採用のRefcomeが気になっています。コスト的にも良いですし、採用が紹介制のため社員の質と定着度が高くなる点と企業文化をつくる過程の今はちょうど良いサービスかもしれません。
企業規模が大きくなって人が増えてきたら、HRMOSも導入を検討しています。

労務関係ではSmartHRが特に気になってます。かなり便利みたいですね。ただ、導入する上で、労務管理や給与換算、HRの各分野がそれぞれのサービスでバッティングしてしまうこともあるので、組織規模やスイッチングコストを考慮すると、「しっかり検討する必要があるな」、とも感じています。

-HR領域のサービスの情報はどこから入手していますか?

9割以上Facebookから入手しています。経営者同士の繋がりで質の高い有益な情報が得られますね。弊社で使っているCu-hackerも知り合いを通じて導入しましたね。ツールを導入する前に試している人もいるから、使い勝手など聞けるのでその点は恵まれているなと思います。

クラウド活用のプロが教えるサービス選びと活用のコツ


-クラウドのサービスを多く活用されていますが選ぶ基準というのはありますか?

選ぶ基準というのは明確に持っていて大きく2点です。
①クラウドであること。
スキャンマンは業務形態が派遣出張型のため、リモートワークが多く、日常的にオフィスに集まることがありません。そのため、お互いをバックアップするためにどこでも閲覧・共有できることが不可欠です。
②費用対効果と時間対効果。
多くのサービスを導入しても逆に手間が増えてしまうこともあります。ですから従業員の負担が増やさずに最適な業務フローをつくるために、自社のやり方にマッチするかどうかを検討してツールを選定しています。また、時にはツールに合わせて業務形態を変えていく、ということもあります。変える時にそれなりのハードルはありますが。

-クラウドのサービスを活用することで他社との差別化が実現できているということはありますか?

TeachmeBizはスキャンマンの重要なインフラです。私の実感では、TeachmeBizを導入したことでデータよりカルチャーがたまっていく、という印象がありますね。業務をする上で、基本的なスキャニングマニュアルがありますが、案件ごとに微妙なオペレーションやスキャン方法の違いがあります。そのため案件ごとにマニュアルを作っています。結果、ノウハウが蓄積し、規模が大きくなればなるほど価値の差別化に繋がってくると思っています。

-ここまでお話を聞いているとサービス選びに失敗なしという印象です。ズバリツール選びで失敗しないコツとは?

いやいや、失敗もたくさんしていますよ(笑)。 ただ、クラウドサービスの良いところは、トライアルアカウントを作って、便利だと思ったら導入、そうでなければフェードアウトするようにしています。自社にマッチしない場合、現場で実際に使用している人達がきちんとNOを言ってくれるので、大きな失敗もせずにツールを選定できていると思います。

-ツールを導入したままで終わらない現場での活用で工夫していることはありますか?

スキャンマンには、社内に次から次へと新しいものを取り入れる文化があります。具体的に言えば、ツールを導入する時、担当者がOKだったらすぐに導入する、という感じです。その際、どの社員にも負担をかけずに活用してもらえるよう、LINE等で丁寧にコミュニケーションを取り、情報共有やサポートをしています。社員のリテラシーに応じたツールの使い分けやコミュニケーションの取り方を図ることも、とても大切ですね。

-ツール選びのコツから運用方法まで丁寧に教えていただきありがとうございました。

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