今年で22年目を迎える、HRテクノロジーをテーマとした世界最大級のイベント「HR Technology Conference&Expo 2019」が、2019年10月1日から4日まで、アメリカ ラスベガスで開催される。
HR Tech領域での著名人などのセミナー・セッションでは、188名ものゲストが登壇し、セッション数も100を超える。
業界のオピニオンリーダー、実際の現場で人事施策を実行しているリーダーたちからHR Techに関する意見を聴くことができ、現在導入している/これから導入を検討しているHR Techに関して、意思決定をサポートしてくれるだろう。
企業ブースでは、今回は450以上もの企業が出展を予定しており、製品のデモなども行われる。
本記事では、そんな「HR Technology Conference & Expo 2019」の見どころを紹介していく。
「HR Technology Conference & Expo 2019」は、セミナーやセッションを聴く「Conference(カンファレンス)」と、多くの企業がブースを出展し、さらにスタートアップのピッチコンテストなども開催される「Expo(エキスポ)」に分かれる。
それぞれ、時間が被って同時に参加できないものも多くあるので、もし参加する場合は、入念に予定を立てていく必要がある。
カンファレンスでは、12のコンテンツトラックに分けられたセッションを聴くことができる。
<<2019年トラック一覧>>
HR Executive、Project Success、Technical Success、Market Landscape、Research Insights、Talent Acquisition、Talent Management、HR Transformation、AI、Analytics、Core HR、Future of Work
トラックごとにセッション数を確認したが、全部で63個のセッションがある。
昨年と比較すると、「CHRO」「Market Visionaries」「Workplace Innovation」「Bonus」が姿を消し、「HR Executive」「Analytics」「Core HR」「Future of Work」が新設された。また、細かいが、「AI in HR」が「AI」に変更されている。
全てのセッション詳細はこちらから確認できる。
スケジュールは下記の通り。詳細はこちら。
■Day1(8:15-9:00)
Opening Session | In Data We Trust
Day1には、オープニングセッションでは、The Devon Groupの創業者でCEOでもあるJeanne Achille氏をモデレーターに、「In Date We Trust」というタイトルで、Workdayで活躍する3人の女性が登壇する。
■Day1(15:45-16:45)
Keynote | Making Sense of It All: How Technology Is Shaping the New HR Agenda
スピーカー:Barbara Corcoran氏
登壇者は、ABCテレビジョンが放送するビジネスリアリティテレビシリーズ「シャーク・タンク*」のシャークスの一人である、Barbara Corcoran氏。「最高のチームにどう導くか」というタイトルで講演をする。
シャークタンク*・・・日本テレビで放送されていた「マネーの虎」のフォーマットを、ABCテレビジョンが購入してできた番組。シャークスは、マネーの虎で言うところの虎たち。Barbara Corcoran氏は、自身も起業家であり、投資家。
■Day2(8:30-9:45)
Keynote | Making Sense of It All: How Technology Is Shaping the New HR Agenda
スピーカー:Josh Bersin氏
世界的に有名な、Josh Bersin氏が登壇。HR市場について、全体像を理解するためのセッション。プレミアムパスを持っている人は、2020 HR Technology Market Report(1495ドル)を無料で手に入れることができる。
■Day3(9:05-9:45)
Insights from the Top 100 HR Tech Influencers: What’s Next in HR Technology
スピーカー:Aron Ain氏、Steve Boese氏
HRE and HR Tech Conference チームが発表した「Top 100 Influencers in HR Technology」。このセッションでは、トップインフルエンサーから、HR Techで今度最も重要なこと、HR Techの向かう先、HR リーダーが考える必要があることに関するアイデアや見識を聞くことができる。
■Day4(8:15-9:15)
Ideas and Innovators in HR
スピーカー:Steve Boese氏
パネリスト:未定(8月中に発表予定)
最もイノベーティブな方々が、HR、テクノロジー、職場に関する最先端のアイデアを、それぞれ5分でシェアするセッション。登壇者は8月に発表予定。
■Day3(16:15-17:15)
MS7|Awesome New Technologies for HR
モデレーター:Steve Boese氏(Co-Chair, HR Technology Conference)
パネリスト:未定(8月中に発表予定)
メガセッションの最終回に、本イベントの共同チェアマンであるSteve Boese氏がモデレーターとして登場する。本セッションでは、業界をリードするHRテクノロジー企業と最新のイノベーションが紹介される。
昨年のメガセッションは、Day3に4つだけだったが、今年はDay1から合わせて7つのセッションがある。その他のメガセッションの詳細はこちらから
今年から新規に追加されたトラック「Analytics」「Future of Works」「Core HR」のセッションを紹介する。
■Day2(11:00-12:00)
AN1 | Augmented Listening: New Research on the Value of AI in Voice of the Employee Efforts
このセッションには、HRE and HR Tech Conference チームが発表したHR Tech インフルエンサー100人に選出された、Ben Eubanks氏(インタビュー記事はこちら)と、Ultimate Software HCM Innovation ディレクターのChrista Degnan Manning氏が登壇。従来の従業員サーベイとAIを搭載した感情分析テクノロジーによる従業員サーベイの比較結果と、それが組織の能力にどのように影響するかについて語る。
■Day2(13:15-14:15)
FW2 | The Transformational World of Work
このセッションには、HRE and HR Tech Conference チームが発表したHR Tech インフルエンサー100人に選出された、Lisa Sterling氏(インタビュー記事はこちら)が登壇。
従業員の基本的なニーズを満たすだけでなく、従業員を引きつけ、リテンションし、報酬を与える必要があると、Sterling氏。その中で、次世代のエンプロイー・エクスペリエンス(従業員体験)をサポートするために活用できるリアルな情報を語る。
■Day4(9:30-10:30)
HR6 | Technology Delivers a Unique Multinational Benefits Strategy at Adobe
AdobeのReward Operations & Global Mobility ディレクターである、Kevin Maguire氏が登壇。アドビの、グローバルなビジョンや、直面している課題、また、業界をリードする福利厚生戦略の立ち上げを含む利益目標の達成を、最新のテクノロジーがどのようにサポートしてくれるかを説明する。
エキスポでのアクティビティ・アトラクションとしては、昨年に引き続き、「オープニング ナイト パブ クロール」、「HR Tech Talks」「製品のライブデモ」「スタートアップ パブリオン」「Pitchfest(ピッチコンテスト)」「HR Happy Hour」が用意されている。
ただし、今年からは、「ソリューション プロバイダー セッション」、「HR’s Top Downloaded Podcast LIVE」、「HR’s Most Dangerous Podcast LIVE」が追加され、ガイドツアーが姿を消した。
昨年からEXPO会場で始まった「ピッチコンテスト」が今年も開催されます。ピッチコンテストでは、数百の応募を勝ち抜いた30社が優勝を争います。
今年はなんと、日本からは株式会社KAKEAIが出場する。日本企業としては初の登壇。KAKEAIは、「属人的でブラックボックス化しがちなマネジメント」を、脳科学とテクノロジーで解決し、ピープルマネジメントの改善を促すシステムを提供している(β版の提供を終え、2019年9月に製品版をリリース予定)。
HRテクノロジー大賞では、注目スタートアップ賞、HR tech GP2019ではグランプリを獲得した。
参考
日本企業で初めて世界のHR techスタートアップ30社に選出。世界最大級のHR techイベント(10月・米国/ラスベガス)にて登壇決定!
■予選ラウンド:30社→6社
【DAY1】10/1(火) 17:30~18:30
【DAY2】10/2(水)10:30~11:30,15:00~16:00
予選ラウンドでは、各回10社がプレゼンし、そのうち2社ずつ決勝ラウンドに進むことができる。予選ラウンドでは、観客の投票も考慮される。審査員70%、観客30%の割合で、予選を突破する企業が決定する。
■決勝ラウンド:6社→1社
【DAY3】10/3(水)10:00~11:00
ピッチフェストでは、グランプリと準グランプリが選ばれ、それぞれ、25,000ドルの賞金と、「ギグエコノミー」賞として5,000ドルの賞金が送られる。なお、両社ともに、2020年のEXPOで展示スペースが与えられる。昨年の優勝者は、ピッチフェスト終了後のメガセッションに登壇したが、その点が昨年と変わっている。
ピッチフェストへの参加企業は、こちらから確認できる。
HR Tech Vendorによる製品デモは、2日目と3日目に行われる。セッションと時間が被っているものがほとんどなので、気になる場合はあらかじめ予定を立てておきたいところ。
日本でも知名度が高い、IBMやWorkday、Microsoftなども登壇する。
Steve Boese氏 と Trish McFarlane氏によるPodcastのライブ。
HR、Management、Leadership、Workforceに焦点を当てた番組では、最も長く続いている番組をライブで聴くことができる。
Chad Sowash氏 と Joel Cheesman氏によるPodcastのライブ。
HR業界で40年以上の様々な経験を持つベテラン2人が、業界の教育と意見を、強く批判することなく、されど汚い言葉で語る可能性が高い番組を聴くことができる。
・Expoへのブース出展企業はこちら
・ブースを出展しているスタートアップリスト
・次回以降の予定
2020年:10月13日~16日ラスベガス
2021年:11月2日~5日ラスベガス
2022年:9月13日~16日ラスベガス
今年で22回目を迎える世界最大規模のカンファレンス&エキスポであり、新しいトレンドが生まれる場である。今年は、エキスポのピッチコンテストに日本企業からKAKEAIが登壇する。カンファレンスでの日本企業の登壇はないが、HR Techに関する世界の潮流を知る機会としてぜひ活用してほしい。
【参考】
・HR Tech情報収集のためにフォローすべき海外メディア・人物
・2019 Top 100 HRTech Influencers