「人生100年時代」を迎え、働き方の多様性が高まる中、退職によって企業と個人の関係が完全に途切れてしまうことは、双方にとって損失です。アルムナイ・リレーションで「損失」を「価値」へと変えるために『Official-Alumni.com』を開発しました。
コミュニケーションが取りやすいチャット型のUIをベースに「企業に対するアルムナイ・エンゲージメントの測定/アルムナイの現況把握」から「エンゲージメント改善施策の実施」、そして「お互いが恩恵を受けられる施策の実施」まで、アルムナイ・リレーションのすべてをサポートします。「アルムナイの本音」を引き出すことにフォーカスしており、実名だけでなく、匿名でコミュニケーションが取れることでアルムナイが本音を言いやすくなる匿名メッセージ機能や、ログ分析によってアルムナイ個々の興味やニーズに合わせたコンテンツ配信ができる機能などを備えていることが、従来のSNS/グループウェア/チームコミュニケーションツールにはない特長です。
退職を終わりではなく一つの通過点として、退職後も企業と個人が柔軟に繋がり続けられる社会を実現することで、退職と同時に企業と個人の縁が切れてしまうことによる「損失」をなくしたいと考えています。日本人と日系企業では「就社」、欧米や東南アジアでは「就職」という一般的な考えは、私個人の長い海外生活の中でも実体験として感じる機会が多くありました。どちらも一長一短ありますが、「就職」視点で考える個人の方が人生やキャリアを主体的に設計していることが多いといえます。また、「就職」視点の企業と個人の間に見られる「退職後も続くポジティブな関係性」も、個人が心理的安全性を担保したまま、主体的に人生やキャリアを設計する一助となっていました。結果的に、退職後も過去に働いた企業を自身のアイデンティティの一部として考え、能動的にWin-Winのアルムナイ・リレーションを構築して、恩恵を享受し合おうとする人も多くなります。一方で、「就社」意識が強い日本の社会と企業に目を向けると、「退職後も続くポジティブな関係性」が構築されているケースは多くありませんでした。長期雇用が企業と個人の間で相互期待として醸成され、「退職 = 退職者が長期雇用という企業の期待を裏切った」と判断され、「退職者は裏切り者」とされてしまいます。そのため、退職時に企業と個人が揉めるケースも多く見られ、関係の断絶や気まずさの原因となっています。日本でもアルムナイ・リレーションを当たり前にすることは、主体的な人生やキャリア設計にも大きな影響を持ち、「働き方改革」をも大きく前進させます。
HR Tech GP 2018 Finalを通して、アルムナイ・リレーションが社会、企業、そして個人にもたらす利益と好影響をより多くの方に認知頂くことで、『Official-Alumni.com』の導入企業を増やしていきたいです。アルムナイが「裏切り者」扱いされずに、アルムナイ・リレーションで企業と個人の関係価値を最大化できる社会を実現にするために、グランプリを目指します!
株式会社ハッカズーク 日本法人代表取締役CEO / フィリピン法人取締役 鈴木 仁志 氏
マニトバ州立大学(カナダ)卒業。人事・採用コンサルティグ大手のレジェンダで、国内採用プロジェクト責任者、シンガポール現地法人責任者、中国オフショア拠点やフィリピン開発拠点立上げなどを行う。HR Techについての知見も多く、寄稿や講演など多数。2017年、ハッカズーク・グループを設立し現職。自身がアルムナイとなったレジェンダにおいてもフェローとなる。