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外国人材の採用から労務管理まで役に立つHRサービス

日本で就労している外国人は、2018年10月末時点で146万463人と年々増加をしています。2019年4月には、改正出入国管理・難民認定法を施行され、特定技能1号と特定技能2号という新しい在留資格を新設され単純労働分野での受け入れも可能に、2019年12月には技術実習生が40万人に達することが見込まれるなど、外国人材の活用の注目されています。
企業が外国人材を活用する目的は「高度な能力を持つ人材の受け入れ」や「人手不足を補う労働力の確保」と大きく2つに分けられます。
今回は外国人材の採用から労務管理までに役に立つサービスを、HR Tech業界カオスマップで掲載したサービスを中心にご紹介します。

<目次>
日本の外国人材(外国人労働者)について
外国人材の採用から受け入れまでに必要なこと
外国人材の採用から労務管理まで役に立つHRサービス

日本の外国人材(外国人労働者)について

日本で就労している外国人労働者は146万人となり、過去10年間で90万人が増加しています。外国人労働者の割合は以下のとおりです。

1.就労目的で在留が認められる者(約27.7万人)
高度外国人材と呼ばれる専門的・技術的分野で働いている者

2.身分に基づき在留する者(約49.6万人)
定住者や永住者、日本人の配偶者等。

3.技能実習(約30.8万人)
技術移転を通じた開発途上国への協力が目的

4.特定活動(約3.6万人)
経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護・福祉士候補者、ワーキングホリデー、外国人建設就労者、外国人造船就労者等

5.資格外活動(約34.4万人)
本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内で、相当と認められる場合に報酬を受ける活動が許可される(例:留学生のアルバイト)

国籍別に直近の状況をみると、中国が最も多く389,117 人で、外国人労働者全体の26.6%を占めています。次いで、ベトナムが316,840 人(同21.7%)、フィリピンが164,006 人(同11.2%)。また、 「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、伸び率ではベトナム、ネパール、インドネシアからの外国人労働者が大きく増加していることがわかります。

外国人材の採用から受け入れまでに必要なこと

外国人材の採用から受け入れまでに必要な大まかな手続きについて説明します。

1.外国人材の募集から採用
採用する外国人材の採用目的、役割、採用基準を策定して外国人材の採用を活動を行います。
在留資格取得の上では、採用対象本人の従事する業務と、これまでの職歴や専攻が一致している必要があります。募集する業務はある程度明確にしておくことと、雇用締結前に在留資格取得の要件を満たしているのか確認する必要があります。

参考:在留資格一覧表
http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.html

2.雇用契約の締結
入社後の労働条件について話し合い、雇用契約を締結します。契約書は外国人が読める母国語や英語のような国際共通語で作成するか、または日本の契約書に翻訳文を添えて交付するなどの配慮が必要です。

3.在留資格の申請と査証(就労ビザの申請)
留学生を採用する場合は、入社までの間に在留資格を「留学」から就労可能な「技術・人文知識・国際業務」等に変更する必要があります。原則として本人が行う手続きですが、採用する企業も積極的に関与が必要です。

海外から外国人材を採用をする場合には、法務省入国管理局から在留資格の認定をとるほかに、現地の日本大使館/領事館(在外公館)に査証(ビザ)を発行してもらう必要があります。 

4.受入体制の整備
雇用契約や就業規則の説明、本人の在留資格更新や一時帰国手続きの支援、健康保険・雇用保険・年金・扶養控除の説明や、住居の手配、日本語教育のためのスクール選びなど外国人材の定着を図るための体制の整備をします。
また、外国人材の居住地が決まったら住民登録が必要なので、来日したらすぐに登録するよう依頼することも大切です。

5.雇用管理
労働施策総合推進法に基づき、外国人を雇用する事業主には、外国人労働者の雇入れおよび離職の際に、在留資格などについて、ハローワークへ届け出ることが義務づけられています。また、資格外活動の場合は労働時間の制限などあるので正確に管理することも必要です。

外国人材の採用から労務管理まで役に立つHRサービス

外国人材の採用

募集・採用するためには、自社サイトでの告知、大学等との連携、合同説明会や就活フェアへの参加、外国人雇用サービスセンターやハローワークの活用といったように、多種多様な方法がありますが、外国人材に特化した媒体やSNSの活用も有効です。

・Linkedin
世界で5億人以上が使うビジネス特化のSNS。会社ページで求人募集や、求人広告配信やスカウトメールの配信が可能。
URL:https://www.linkedin.com/f

・JAPAN WORK
英語・中国語・ベトナム語で日本の求人が一括検索できる、日本に住む外国人向けの求人媒体を運営。
URL:https://www.japan-work.com/

・YOLOバイト求人掲載
世界226ヵ国、13万人以上の留学生・外国⼈が登録する国内最⼤級のメディア。
URL:https://www.yolo-japan.com/ja/recruit/job

・Joboty
日本最大級の外国人向けアルバイト求人媒体。botを使った最適な案件紹介も。
URL:https://about.joboty.jp/

・ALL JOBS JAPAN
通勤時間検索/10か国語対応/プロフィールビデオの登録を可能にした外国人向け求人サイト
URL:https://alljobsjapan.com/

・GAIJIN BANK
在留外国人に特化した人材派遣・職業紹介サービス。
URL:https://gaijinbank.com/

・クラウドエージェント
日本全国の人材会社をネットワーキングした採用プラットフォームだが、韓国、マーレシア、ミャンマー、インド、中国の5カ国からの人材紹介を受けることができる。
URL:https://recruiting.crowd-agent.com/ 

受け入れから労務管理

受け入れから労務管理を外国人材の在留資格申請や、在留資格や在留期間等の管理など外国人材特有の業務が発生します。これれらの業務は、社労士・行政書士に依頼する方法だけではなく、クラウドサービスを活用する方法もあります。

・ビザマネ
外国人スタッフの在留カードの有効期限や在留資格などを管理するプラットフォーム。
URL:https://visamane.jp/

・one visa
外国人従業員のビザの申請などを代行してくれるサービス。
URL:https://onevisa.jp/

・Work Visa
外国人社員の在留資格申請や在留資格管理の効率化を支援するサービス
 URL:https://lp.workvisa.jp/

・G-Woker
外国人技能実習生の申請書の作成〜書類提出の期限管理までをやってくれる自動化システム。
URL:https://g-worker.jp/

・J-Worker
『特定技能』外国人労働者の入社前タスク管理から帰国までの期限チェックや関連書類の紐づけを実現化した専用システム
URL:https://jworker.jp/launching

・SmartHR
在留資格の申請や管理機能はないが、雇用契約、入社手続き、年末調整の従業員用入力画面について多言語化対応しており、母国語での情報入力や内容確認が可能。
URL:https://smarthr.jp/

なお、就業規則作成の支援サービスではないが、モデル就業規則の外国語版2014年版と古いが厚生労働省より入手できる。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/foreign/index.html

勤怠管理

在留資格に応じた就労可能時間数を確認し勤怠管理を徹底する必要があります。また、外国人材が使えるように多言語化対応をされていることが望ましいです。

・コネキャリ
建設現場に特化した勤怠管理サービス。ベトナム語にも対応している。
URL:https://muchu.co.jp/connectedcareer/

Gulf-CSMの勤怠管理システム
小売サービス企業の労基問題を解決する「勤怠管理システム」外国籍の雇用に必要な管理項目、労務アラート、英語表記に対応。
URL:https://www.gulfnet.co.jp/csm_kintai/

・jinjer勤怠
マルチデバイス対応で、いつでもどこからでも打刻可能。AIによるエンゲージメントアラート機能もあり。英語、インドネシア語、タイ語 、台湾語、ベトナム語に対応
URL:https://hcm-jinjer.com/kintai/

・バイバイタイムカード
タイムカード、タイムレコーダー等を利用して行われている出退勤時刻の記録と、集計を自動化するクラウド型の勤怠管理システム。英語モードにも対応。
URL:https://www.byebye-timecard.net/

・ジョブカン勤怠管理
勤怠管理を簡単にし、コスト削減をサポートするクラウドシステム。多彩な打刻方法、簡単な出勤管理・休暇申請管理など豊富な機能あり。英語、韓国語、タイ語、ベトナム語への切り替えが可能。
URL:https://jobcan.ne.jp/

教育・育成

外国人社員を雇用する事業主は、安全衛生に関する教育、労働災害防止のための日本語教育の実施、標識や掲示の工夫に努める必要があります。また日本人社員との円滑なコミュニケーションのために、日本語を学習する機会を提供し、積極的に日本語の習得を支援していくことが重要です。

・アルクオンライン日本語スクール
日本人講師による1on1レッスンで、自宅やオフィスなどで気軽に日本語が学習できる。
URL:https://nihongo.alc.co.jp/

・日本語.com
日本人の先生と、いつでもどこでも、1on1の日本語レッスン。
URL:https://ni-hong-o.com/

・Japaneasy
日本語力向上を必要とする外国人社員の方々に対し、各個人の目標・レベルに沿った最適な日本語レッスンの提供。
URL:https://jpnsy.com/jp/index.html

・Zipan
入管法改正で受け入れが拡大する外国人労働者の日本語レベルに合わせた、ビジネス文化やビジネスマナーまで学べるサブスクリプション型日本語修得サービス。
URL:https://www.zipan.jp/

・Teachme Biz
クラウド型マニュアル作成ツール・ソフト。マニュアルの翻訳発注機能もあり。
URL:https://biz.teachme.jp/

・JIMAKU Mate
動画を多言語の字幕に翻訳するAIサービス。
URL:https://www.headwaters.co.jp/service/ai/jimaku_mate.html

最後に

今回の記事では外国人材の採用から労務管理まで役に立つHRサービスを紹介しました。
HR領域以外ではDOC株式会社が作成している「外国人支援企業カオスマップ2019」なども参考になるでしょう。

外国人材が受け入れ企業で活躍してもらうためには、今回の記事で紹介した事項に加えて、人事評価制度や母国の風習も考慮した休暇制度もそうですし、安心して生活できるための住居情報や病院の情報の提供など実施すべきことは多岐に渡ります。

しかしながら、これら多様な人材が活躍する組織を支援するという観点のサービスはまだまだ多くないのが現状です。

日本で働く外国人材は今後も増えていくと予想されますので、サービスの充実が待ち望まれます。

【参考サイト】

新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組(在留資格「特定技能」の創設等) http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri01_00127.html

外国人の雇用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page11.html

外国人技能実習制度についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/index.html

総論:データで見る外国人材受け入れの実態とその意義https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/0303/8519356b460b5170.html