今年で21年目を迎える、HRテクノロジーをテーマとした世界最大級のイベント「HR Technology Conference&Expo 2018」が、2018年9月11日から14日まで、アメリカ ラスベガスで開催される。
HR Tech領域での著名人などのセミナー・セッションのみならず、企業ブースも設けられており、今回は413もの企業が出展を予定している。
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本記事では、「HR Technology Conference & Expo 2018」の見どころを紹介していく。
「HR Technology Conference & Expo 2018」は、セミナーやセッションを聴く「Conference」と、多くの企業がブースを出展し、さらにスタートアップのピッチコンテストなども開催される「Expo」に分かれる。
それぞれ、時間が被って同時に参加できないものも多くあるので、タイムテーブルは要チェックだ。
カンファレンスでは、11のコンテンツトラックに分けられたセッションを聴くことができる。
<<2018年トラック一覧>>
「CHRO」「Project Success」「Technical Success」「Market Landscape」
「Research Insights」「Talent Acquisition」「Talent Management」
「HR Transformation」「AI in HR」「Market Visionaries」「Workplace Innovation」
トラックごとにセッション数を確認したが、全部で61個のセッションがある。
昨年と比較すると、「CHRO」「Project Success」「Technical Success」「Market Landscape」「Research Insight」「AI in HR」「Market Visionaries」「Workplace Innovation」が新設され、「Technical Insight」が姿を消した。
昨年は「Talent Acquisition」のセッションが9つだったのに対し、今年は5つに減少。さらに、「HR Transformation」のセッションが1つだったのに対し、今年は7つに増加している。
昨年のセッションがしっかりとトラックごとに分けられていなかった可能性も考えられるが、増設されたトラック数を見ると、HR Tech市場が急速に変化している点、また人事担当(HR担当)の役割変化が求められることがわかる。
全てのセッション詳細はこちらから確認できる。
スケジュールは下記の通り。
オープニングキーノートとして、ADP社でCDO(Cheif Diversity Officer)を務めるRita Mitjans氏が登壇する。
ADPは、企業規模に合わせた給与計算ツールなどのHRソリューションを提供しており、Working Mother Mediaが選ぶ「The 2018 Best Companies for Multicultural Women」のトップ10に5年連続選ばれている。
インクルージョンやダイバーシティの重要性が叫ばれているものの多くの会社において実践をすることに苦労をしているのではないだろうか?
社内で投資としてダイバーシティ経営を実践するためのポイントなどをここでは解説をする。
【DAY1】13:15~14:15のスポンサーセッションでは、GM(ゼネラルモーターズ)社のSandra Garcia氏が登壇する。
聞き手はスポンサー企業であるAchiever社でChief Workforce Scientistを務めるNatalie Baumgartner氏。
Achieverは、2002年に設立されたカナダの会社で、レコグニション、リワードに関するプラットフォームを提供している。
本セッションは、「Employee Recognition: How GM Got It Right From the Start」と題して、全世界(6大陸)の176,000人以上の従業員が、65の言語、23のタイムゾーンで働いているGMが、いかにしてエンプロイーレコグニッション(従業員が承認されていると感じること)に取り組み始めたかを知ることができる。
詳細はこちら。
他に、今回の主なスポンサー企業には、Josh Bersin氏が率いる「Deloitte」や、リクルートが2012年に買収した「Indeed」がある。
スポンサー企業一覧はこちらから確認。
DAY1の14時半からは、世界的に有名なアナリスト、Josh Bersin氏の基調講演がある。「Debut of Interim Findings of the HR Technology Market 2019 Report」と題したこの講演では、今年最初の「HR Technology Market Report」を発表する。
HR Techのトレンドを理解するために重要な情報を発信し続けるJosh Bersin氏のレポートには注目しておきたい。
また、同氏は昨年、同イベントでクロージングキーノートに登壇した。その際発表した「HR Technology Disruptions 2018 Report」の要約(HR Technology in 2018: Ten Disruptions Ahead)は、同氏のサイトで公開されている。
この要約の日本語版は、株式会社ハッカズークが運営するアルムナイ情報特化型メディア「アルムナビ」でも公開されているのでチェックしておきたい。
DAY3には、メガセッションが4つある。
13:45~15:00の時間帯は3つのセッションが同時に行われるので、注意したい。
登壇者:Josh Bersin
メガセッション1では、Josh Bersin氏が「Deloitte Human Capital Trends 2018」のレポートを元に、HR Techの最新動向と社員のエンパワーメントのためにHR Techがどう役に立つのかなどを紹介する。
モデレーター:Kris Dunn(Kinetix社 CHRO, Partner)
パネリスト:
Chris Cho(Monster社 Chief Product Officer)
Frida Polli(pymetrics社 CEO & Founder)
メガセッション2では、Talent Acquisitionのテクノロジーがどのように企業を助け、さらにどう活用すれば最大の成果を得ることができるかについて、各企業のTA(Talent Acquisition)リーダーが語ります。
モデレーター:Steve Boese(Co-Chair, HR Technology Conference)
パネリスト:未定(8月中に発表予定)
メガセッション3には、本イベントの共同チェアマンであるSteve Boese氏がモデレーターとして登場する。本セッションでは、業界をリードするHRテクノロジー企業と最新のイノベーションが紹介される。
16:00~17:00は、メガセッションが一つだけある。
本セッションは、昨年まではビジネスコンペティションで、事前に選ばれた4社が最終プレゼンテーションを披露し、セッションに参加した参加者の投票によって優勝を決定していた。
<<昨年のノミネート企業>>
Blue Board , Beamery , Best Money Moves , papaya global
【参考】世界最大級のHRTechイベントで優勝、「BlueBoard」が評価される理由
しかし今年は、EXPO会場で開催されるPitchfest(ピッチコンテスト)で優勝したチームが登壇する。
本イベントの共同チェアマンであるSteve Boese氏をはじめ、Lighthouse Research & Advisory社のPrincipal AnalystであるBen Eubanks氏、The Starr Conspiracy社のPractice DirectorであるLance Haun氏、#HRWINS社のPrincipal Analyst & FounderであるGeorge LaRocque氏、Aptitude Research Partners社のCo-FounderであるMadeline Laurano氏の4名に加え、Pitchfest(ピッチコンテスト)の優勝者と共に、「New HR Technology」について、インタラクティブなセッションが展開される。
エキスポでのアクティビティ・アトラクションとして、「オープニング ナイト パブ クロール」、「HR Tech Talks」「製品デモ」「無料のガイドツアー」「スタートアップ パブリオン」「Pitchfest(ピッチコンテスト)」「HR Happy Hour」が用意されている。
昨年度までは、事前に選ばれた4社の企業がカンファレンス会場にて「Discovering the Next Great HR Technology Company」というセッションでプレゼンをし、観客の投票から優勝が決まったが、今年からはEXPO会場で30社が優勝を争うピッチコンテストが新しく始まる。優勝者は、午後からのセッション「The Next Great HR Tech Company」に登壇することができる。
■予選ラウンド:30社→6社
【DAY1】9/11(火) 17:30~18:30
【DAY2】9/12(水)10:30~11:30,15:00~16:00
予選ラウンドでは、各回10社がプレゼンし、そのうち2社が決勝ラウンドに進むことができる。予選ラウンドでは、観客の投票も考慮される。
審査員70%、観客30%の割合で、予選を突破する企業が決定する。
■決勝ラウンド:6社→1社
【DAY3】9/13(水)10:00~11:00
決勝ラウンドは、審査員審査のみで優勝が決まり、優勝者は、午後からの「The Next Great HR Tech Company」に登壇する。
出場企業は、まだ発表されていない。(2018年8月6日現在)
HR Tech Vendorによる製品デモは、2日目と3日目に行われる。セッションと時間が被っているものがほとんどなので、あらかじめ予定を立てておきたいところ。
iCIMS:クラウドベースのTalent Acquisitionソリューション
ADP:Talent Acquisition、Onboardingなど用のエンタープライズ向けプラットフォーム
Oracle:AIを使ったOracle HCM Cloud
IBM:IBM HRとTalent Managementソリューション
Workday:エンタープライズ向けクラウドアプリケーション
Microsoft:Dynamics 365 for Talentによる、ビジネスプロセスの最適化
などが登壇する。
無料のクラフトビール、ワインを楽しみながら、スポンサー企業ブースで最新の製品やサービスについて学ぶことができる「Opening Night Pub Crawl」が開催される。はしご酒の感覚で、各ブースを回れる。
・Expoへのブース出展企業はこちら
・ブースを出展しているスタートアップリスト
・次回以降の予定
2019年:10月1日~4日ラスベガス
2020年:10月13日~16日ラスベガス
2021年:11月2日~5日ラスベガス
2022年:9月13日~16日ラスベガス
世界最大規模のカンファレンス&エキスポであり、新しいトレンドが生まれる場である。
日本企業の登壇はないが、HR Techに関する世界の潮流を知る機会としてぜひ活用してほしい。