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#となりのHRTech 〜エンブレース株式会社の場合〜

人事を支えるHR Techサービスの可視化をテーマにした企画「#となりのHRTech。今回は、エンブレース株式会社執行役員 CHRO兼人事本部長の山岸雅己さんに、自社で使っているHR Techサービスについてお聞きしました。

  

インタビューした企業:エンブレース株式会社
https://www.embrace.co.jp/
医療介護環境における新しい仕組みとして「ソーシャル医療介護プラットフォーム」を研究・開発・サービス化している。
社員数:35名(正社員23名/アルバイト12名)
人事数:2名(1名社員、アルバイト1名週2日4時間)

インタビューした人:山岸雅己さん
(Twiteer)https://twitter.com/myamagishi
(Facebook)https://www.facebook.com/masami.yamagishi.10

 

求人・採用領域には「Wantedly」と「Green」と「BIZREACH」

求人・採用領域では、「Wantedly」「Green」「BIZREACH」を利用。Wantedlyは、月間200万人が利用するビジネスSNSで、有名企業やベンチャー・スタートアップなどの様々な企業/人材と繋がることができます。

Greenは、優秀な人材に直接アプローチ可能な成功報酬型の求人メディアで、2019/3/6時点で2853企業 15190求人が掲載されています。

BIZREACHは、優秀な人材を直接採用できるダイレクトリクルーティングサービスで、スカウト可能会員数は2019年2月時点で74万人以上です。

「候補者と直接やりとりし、本人の転職意向や他社状況を正確に把握し、選考を円滑に進めることができ、積極的にこちらからアプローチできるサービスを選びました。その中でも、WantedlyとGreenは、特に積極的にこちらから動くことで登録者とのマッチングを図ることができるので、優先的に使用するようにしています。

まずは自身がユーザーとして徹底的に使いこなし、上位検索のアルゴリズムを理解した上で、HR techサービスを利用するようにしています。

人材紹介に関しては、当社のような知名度だと優秀な方をなかなかご紹介してもらえない。また、これまで某大手エージェントから300人以上紹介してもらったが、1人も採用に繋がらなかったため、大量に送ってくれる人材紹介(エージェント)ではなく、少人数でも当社に合う方を紹介してくれる会社と密に連携を取るようにしています。そうすることで、応募数は減っても、面接、内定へつながる率が高まり、結果的に効率もよいです。」(山岸さん)

BIZREACHは、WantedlyとGreenとは異なるハイクラス層のため、マネージャー候補や専門性が高いポジションに利用しているとのことです。

さらに、BIZREACHは(他転職サイトに比べ)登録者の経歴がしっかり書かれており、検索条件を詳細に設定できるため、職種別、等級別、キーワード別に日々検索をされているそうです。

「優秀な人を10人獲得する方針で経営戦略を立てたとしても、実際に優秀な人を10人も100%獲得できるわけでは無い。仮に当社の要件に合う候補者が市場に10名しかいなかったとしたら採用できても1人か2人。そもそも転職市場にどのくらいの候補者がいるのか、母数が多いBIZREACHで得た、人材のマーケットデータを経営者に示すことで、その後の経営戦略を練り直すのに利用しています。」(山岸さん)

労務管理には「ジョブカン勤怠管理」

労務管理では、現在では株式会社Donutsの「ジョブカン勤怠管理」を利用。ただし、上場を見据え、現在は他社サービスへの移行中とのことです。

「ジョブカン勤怠管理は、前任者が導入していたためそのまま利用しています。ただ、上場を見据えて比較検討した結果、別サービスへの移行が決定しました。」(山岸さん)

エンゲージメントには「wevox」

エンゲージメントツールには、「wevox」を活用。会社と社員のズレを早期に解決していくため、かつ自社において人事が運用できるかどうかで選定したとのこと。

「wevoxはツールに特化しているため使いやすく安い。利用人数も300人ぐらいまでなら人事が1人で運用できる。今後、エンゲージメントツールが、1人で運用ができなくなったとき、外部から内部を変えていく必要性を感じた段階でモチベーションクラウドなどの利用を考えています。」(山岸さん)

  

適性検査には「mitsucari」

適性検査は、株式会社ミライセルフの提供する「mitsucari」を利用。mitsucariは、働く人と企業とのミスマッチを可視化できるサービスで、2018年6月1日に正式リリースされました。

mitsucariの選定については、候補者と社員のマッチングを可視化したものを今後の組織設計にも活用できる点が挙げられました。

また利用用途は、従来のカルチャーにフィットするか、ストレスに強いか、誰に似てるかを見るためではなく、どちらかというとハイパフォーマーのコンピテンシー分析に利用しているとのこと。

「当社内のハイパフォーマーの傾向を調べて、入社後のキャリアプランニングや組織づくり、どんな仕事を任せるかの参考資料として使っています。」(山岸さん)

  

HR系の情報収集方法

HR系の情報収集にはSNSやプレスリリース、googleのアラートを利用しているが、特に「Twitter」と「TechCrunch」が多いとのこと。また、人事同士のネットワークでだいたいの情報は流れてくるとのことです。

  

サービスの選定基準

ツールの選定するときの基準や、HRTechサービスを使っていない領域とその理由については、

「前提としてはツールありきでは選定をしません。ある程度ツールに業務を合わせることはありますが、現状の課題があり、それをどのサービスが適しているかの観点を重要視しています。また、特にできたばかりのサービスだと、改善をフィードバックできたり、自社の要望が反映できるツールを選びます。」(山岸さん)

さらに、リファラル採用やオンライン面接は、どのサービスも価格以上の効果が望めないため、無料のサービスを使っているとのこと。

「リファラル採用は当社でもやっているが、専用サービスは今のところは利用していない。オンライン面接は、google hangoutsskypeなどを利用しています。」(山岸さん)

面接日程調整ツールは、一連のやりとりから候補者の仕事振りがみれるので、あえてツールは利用しないとのことでした。

  

HRTechサービスに望むもの

HRTechサービスに望むものとして、まず挙げられたのがAPI連携。次に確実に人材を確保できる採用ツールがあれば嬉しいとのことでした。

2017年11月から連載が始まった、HRTechナビのベンチャーニュースまとめを見ていると、毎月20近いサービスや新機能が追加されています。API連携についても各社で動きは進んでいるものの、人事の現場で使われるにはHR Tech業界全体として動く必要が今後求められそうです。

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