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HRBrain代表堀氏が語る社員の力を引き出す目標設定と評価制度構築のポイント

こんにちは、HR Techナビ編集部です。2018年3月22日にHRTech イベント「HR Tech 90」を開催いたしました。今回は「成長企業に学ぶ!成果を生み出すチーム作りと人材評価のポイント」をテーマに、株式会社HRBrain代表の堀 浩輝氏、 Unipos株式会社代表取締役社長の斉藤 知明氏ゲストにお迎えし、タレントマネジメントや目標設定と評価のポイントについて語っていただきました。本レポートでは株式会社HRBrain代表の堀 浩輝氏による講演「社員の力を引き出す目標設定と評価制度構築のポイント」をお届けいたします。

HRtech90とは

HumanResourcesとTechnologyをあわせた造語であり、テクノロジーを活用し人事領域の業務最適化を図るサービスのことを指す「HRTech(HRテック)」。
「HR Tech×〇〇」として、HR Tech(HRテック)に関するあらゆるテーマを取り上げ、1回あたり90分のイベントでネットワーキングとノウハウのシェアの場を作るという目的のもと、本イベントを開催しています。

【過去のイベント】
<2017年10月21日開催AIで劇的に変わる営業の働き方!HRTech90#1
2017年11月21日開催HR Techで成果のあがる組織と人をどう作るのか?HRTech90#2
2017年12月18日開催リーチできなかった層にリーチをすることが採用成功の秘訣?HR Tech90#3
2018年1月23日開催国内外の先進企業から学ぶ組織・企業のエンゲージメントを高めるインナーマーケティング事例HRTech90#4
2018年1月23日現役人事に聞く!エンゲージメント向上施策について
2018年2月27日テクノロジーを活用すると楽になる採用業務!株式会社HERP庄田 一郎 氏
2018年2月27日面接業務はAIの力で楽になる!タレンタ株式会社中村究氏

社員の力を引き出す目標設定と評価制度構築のポイント

スピーカー:堀 浩輝 氏 株式会社HRBrain 代表取締役社長

HR Brainは、企業で広く用いられている目標シートの作成から記入、人事担当者による評価管理までをクラウドで一元化することで、目標設定から評価のプロセスを効率化し、蓄積されていくデータを元に効果的な人事戦略を可能にしていくタレントマネジメントサービスです。
HRBrain には、おかげ様で毎月本当に多くの企業からお問い合わせが来ます。よくある問い合わせは「目標設定と評価制度をどう構築しようか悩んでいる」「エクセルベースの現行制度を効率化したい」「1on1を一元管理したい」などといった問い合わせです。
もう人事が経営に関わる時代になっています。ですから、オペレーションの効率化といった悩みだけでなく、そもそもの制度構築といった会社としての思想やカラーがそのまま表れる部分の設計力や構築後の運用力がいま人事に問われています。

目標設定・評価制度を設定していくステップ

制度というのは、運用するものですから、一度設定して終了というわけにはいきません。ですから、正しいステップを踏むことが大切になります。
1会社のバリューの定義や浸透を設計する。
2目標や評価制度の構築に関して、何に置くのかを決める
3実行者責任者を決める。
4実現可能なオペレーション方法を決める・最適なツールも決める。

まず、会社のバリューや経営陣の価値観を理解していないと精度を構築しても頓挫してしまいがちです。ですから、まずは会社としての方針をしっかりとクリアにすることが大切です。次に目標制度を、社員育成、納得度向上、社員の引き締め、達成意欲といった様々なポイントに対してどこに焦点を置くのかを考えましょう。一つである必要はありません。例えば、「良い人をとにかく萎えさせない」ことに重きをおく場合には、そのような評価制度にしていくべき、といったイメージです。そして、責任を持って事業を進める実行者を決め、オペレーション方法を決めます。そうして、ようやくツール選定に移ります。
この順番でやることで、経営陣も巻き込むことができ後々出戻りがなくスムーズに進めることができます。

どのように目標を設定するのか?

Specific- テーマは具体的か
Measurable-定量的に測定できるか?
Achievable-達成可能なものか?
Result-based-「成果」に基づいているか?
Time-oriented-タイム・フレームは意識されているか?

まず、テーマ(目標)が具体的かどうか見ていきます。そして、定量的に設定できているかどうかみていくことが大切です。「エンジニアの目標を定量的に設定するにはどうすれば良いか」という質問がよくあるのですが、最もわかりやすい基準はYesかNoかで判断できる目標にすることです。また、「この機能をいつまでに80%で仕上げるか?」という目標設定の仕方も良いですね。次に、「十分に頑張った場合に達成可能かどうか」を見ていきましょう。そして、「成果に基づいているか」「タイムフレームは意識されているか」に着目します。目標が3期連続で達成されていれば、その人にとって甘い目標の可能性がありますよね。定めた期間で着実に成果に結びついているかどうかが大切です。また、目標設定力には個人差が生まれますから、1on1でコミュニケーションをとることも忘れてはなりません。

「定量・定性」2つの視点を意識する

納得感のいく評価設定とは?

定量・定性の両面で判断することをおすすめしています。定量は事業目標の達成具合、定性はバリューやスキル目標の達成具合で測ります。定量と定性のバランスは、役職者は定量重視、まだ個として成長してほしい人は定性を重視すると良いでしょう。

 

会社が優秀な人を逃さないために

進捗管理について

毎月の1on1・面談で、進捗やコンディションを人事や経営が見れるようにしておきましょう。面談の際、各メンバーの悩みや不満がどうしてもでてきますが、それらになるべく早く対応することが大切です。なぜなら、悩みや不満がすぐに解決されない状態が続けば、「1on1・面談は意味がない」というモチベーションに繋がりかねないからです。
面談で聞くべき重要な問いは、【K:keep=今後も続けること」「P:problem=問題なので、やめること」「T:try=今後、試してみたいこと」】です。これらを必ず吸い上げるようにしていることでモチベーションアップに繋げていきます。また、体調・心のコンディションは必ず聞くようにしていますね。

 

まとめ

現在は、社員がその会社に居続けてくれる理由は、「仕事が楽しいか」「好奇心が湧くか」が基準になってきています。ですから、一人ひとりに発揮してほしい知的好奇心と、事業として目指していきたい目標の摺り合わせをどう上手く嚙み合わせていくが重要になってきますね。
退職理由のうち、評価への不満が理由で退職していく人の割合は60%を超えると言われています。優秀な人ほど評価されずに抜けてしまい、会社側が悔しい思いをします。人事は、採用ばかりに力を入れがちですが、まずはバケツの穴を塞ぐこと。そのためには、今いる社員の目標や評価の管理もおろそかにしてはいけませんね。

【6月19日】社員と会社新しい絆を作る「攻めの人事労務」とは?

変革期における組織改革を得意とし、モザイクワーク社に従事しながら複数社の人事に携わっていらっしゃる株式会社モザイクワーク取締役COO高橋様、従業員の様々な健康情報をクラウドに一元的に集約管理するサービス「Carely」を提供する株式会社 iCARE 代表の山田様をお迎えして開催いたします。

概要

日時:2018年6月19日(火)19時〜20時30分(18時30分開場)
場所:港区赤坂3-17-1 いちご赤坂317ビル 5F
参加費:無料
主催:一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会
協力:株式会社ウィルグループ